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新卒で入った会社に10年、あるいは20年勤めて、そろそろ自分の意思で辞めようと考えている。転職先も見えてきたが、「自己都合で辞めると退職金はいくらになるのか」が分からないまま退職日を決めるのは不安だ。こうした場面で最初に押さえておきたいのは、退職金の額は法律で一律に決まっているわけではなく、勤めている会社の退職金規程で決まるという点です。つまり相場の数字はあくまで目安で、正確な見込み額は自分の会社の規程と、直近の給与や勤続年数から逆算するしかありません。この記事では、勤続10年・20年で自己都合退職した場合の目安を、会社の規程の読み方と国の統計調査の両面から整理します。
退職金の額は「会社の退職金規程」で決まる

退職金(退職手当)は、法律で支給が義務づけられた制度ではありません。支給するかどうか、いくら支給するかは、各社が就業規則や退職金規程で定めます。したがって「勤続10年ならいくら」という全国共通の正解は存在せず、まず自分の会社の規程を確認することが出発点になります。
規程の多くは、次のいずれかの方式で金額を算定します。
- 基本給連動型:退職時の基本給に、勤続年数ごとに定められた支給率(係数)を掛ける
- 定額型(別テーブル方式):勤続年数と役職・等級ごとに金額表を用意しておく
- ポイント制:勤続年数・等級・評価などで毎年ポイントを積み上げ、退職時にポイント単価を掛ける
いずれの方式でも、退職事由(自己都合か会社都合か)によって支給率が変わる設計が一般的です。自己都合退職は、会社都合退職より支給率を低く抑える会社が多く、同じ勤続年数でも受け取る額に差が出ます。まずは自社の規程で「算定方式」「自己都合の係数」「勤続年数の数え方」の3点を確認してください。
統計から見る勤続10年・自己都合の目安
自社の規程がすぐ手元にない場合、目安として使えるのが国の統計調査です。厚生労働省「就労条件総合調査」は、退職給付額を勤続年数別・退職事由別・学歴別に集計しています。また中央労働委員会「賃金事情等総合調査」も、モデル退職金(一定の条件で勤続した場合の金額例)を公表しています。
これらの調査は、集計対象となる企業規模や調査年によって金額が動きます。数字を引用するときは、必ず「どの調査の、いつの年版で、どの企業規模を対象にしたものか」をセットで確認してください。以下は集計の枠組みを示したもので、実額は該当年版の公表値で埋める必要があります。
| 勤続10年・大学卒(設例) | 金額の目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 自己都合退職 | 公的統計に該当データなし(就労条件総合調査は勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者のみを対象にしているため、勤続10年の公的な平均額は存在しません) | 就労条件総合調査 |
| 会社都合退職 | 同じ理由で公的統計に該当データなし | 就労条件総合調査 |
| モデル退職金(自己都合) | 本サイトでは未取得(数値を出しません) | 賃金事情等総合調査 |
設例の読み方の例として、基本給連動型で考えてみます。退職時の基本給を仮にX円、規程で勤続10年・自己都合の支給率がY倍と定められていれば、退職金の見込みはX×Y円です。自社の規程に支給率表があれば、この計算式に自分の基本給を当てはめるだけで、統計の目安より正確な額が出せます。支給率の実数は会社ごとに異なるため、ここでは数値を置きません。
勤続20年・自己都合ではどう変わるか

勤続年数が10年から20年に延びると、退職金は勤続10年時の2倍を超えて増えることが少なくありません。多くの規程で、支給率が勤続年数に対して逓増(勤続が長いほど1年あたりの上乗せが大きくなる)する設計を採っているためです。長く勤めた人ほど、途中で自己都合退職すると失う額が大きくなる構造だと理解しておくとよいでしょう。
| 勤続20年・大学卒(設例) | 金額の目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 自己都合退職 | 勤続20〜24年の定年退職者の平均は大学・大学院卒(管理・事務・技術職)で1,021万円(令和5年調査。自己都合・会社都合の別ではなく定年退職者の平均) | 就労条件総合調査 |
| 会社都合退職 | 同調査は退職理由別の内訳を示していないため、自己都合と会社都合を分けた額は公表されていません | 就労条件総合調査 |
| モデル退職金(自己都合) | 本サイトでは未取得(数値を出しません) | 賃金事情等総合調査 |
なお学歴別に見ると、大学卒・高校卒などで支給水準が分かれて集計されています。自分に近い区分の値を選んで目安にしてください。ポイント制の会社では、評価が高い期間が長い人ほどポイントの積み上がりが大きく、同じ勤続20年でも差が開きます。統計の平均は「同じ勤続年数の人の真ん中あたり」ではなく調査対象企業の平均値なので、自社の水準がそこから上下することは普通に起こります。
退職金はいつから出る?在職期間と受給資格
「退職金 いつから」という疑問は、多くの場合「何年勤めれば退職金がもらえるのか」という受給資格の話です。ここも法律の定めではなく、会社の退職金規程が基準になります。規程で受給に必要な最低勤続年数を定めている会社が多く、その年数に満たない在職期間で辞めると、自己都合の場合は退職金が支給されない、あるいはごく少額にとどまることがあります。
確認すべきは次の3点です。
- 支給の下限となる勤続年数:これを満たさないと自己都合では支給対象外になる規程が多い
- 勤続年数の起算日と端数の扱い:入社日からか、試用期間を含むか、1年未満の端数を切り捨てるか
- 自己都合と会社都合で下限が違うか:会社都合ではより短い勤続でも支給する規程がある
判断の流れとしては、「勤続年数が規程の下限に達しているか → 達していれば算定方式で額を計算 → 自己都合の係数を適用 → 端数の扱いを反映」という順で見ると整理しやすくなります。退職日を1日ずらすだけで勤続年数の区分が変わり、支給率が上がる場合もあるため、退職日を決める前に規程の端数処理を必ず確認してください。
退職代行を使っても退職金は受け取れるか

自己都合であっても、退職金規程で支給対象になっている人が退職代行(本人に代わって退職の意思を会社に伝えるサービス)を使ったこと自体を理由に、退職金を減らされる法的な根拠は原則ありません。規程に定めのある退職金は労働条件の一部だからです。ただし、規程がなく会社の裁量で支払われる「功労金」的な性質のものは、円満退職でない場合に上乗せ分が出ないことがあります。金額の交渉や未払いへの対応が必要になりそうなときは、交渉ができる運営主体を選ぶことが重要です。運営主体ごとに交渉できる範囲が違う点は、退職代行おすすめ8社比較|有給交渉できるのはどの型かで整理しています。
よくある質問
勤続10年・自己都合の退職金はいくらが相場ですか
全国一律の相場はなく、自分の会社の退職金規程で決まります。目安として厚生労働省「就労条件総合調査」の勤続年数別・退職事由別・学歴別の退職給付額を参照できますが、金額は調査年と対象企業規模で変わるため、該当年版の公表値を確認してください。
自己都合と会社都合でどのくらい差が出ますか
多くの規程が自己都合の支給率を会社都合より低く設定しているため、同じ勤続年数でも自己都合のほうが少なくなります。差の大きさは会社ごとに異なるので、自社の規程で両方の係数を見比べてください。
退職金は勤続何年からもらえますか
法律の定めではなく会社の規程次第です。受給に必要な最低勤続年数を定めている会社が多く、それに満たないと自己都合では支給されないことがあります。規程の支給下限と勤続年数の起算日を確認しましょう。
統計の平均額をそのまま自分の退職金と考えてよいですか
統計は調査対象企業の平均値で、自社の水準はそこから上下します。より正確な見込みは、退職時の基本給と規程の支給率、または退職金テーブルから計算した額です。統計は「だいたいの水準感」をつかむ用途にとどめてください。
退職金の税金はどう扱われますか
退職金には勤続年数に応じた退職所得控除があり、一般に給与より税負担が軽くなります。控除の計算や非課税となる範囲については、金額の目安とは別の観点なので、本サイトの税金に関する記事や国税庁の資料で確認してください。
退職代行を使うと退職金が減らされませんか
規程で支給が定められた退職金は労働条件の一部で、代行利用を理由に減額する法的根拠は原則ありません。ただし裁量的な功労金は円満退職でないと出ないことがあります。減額や未払いが心配なら交渉できる運営主体を選ぶとよいでしょう。
参考・出典
- https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/23/index.html
- 厚生労働省「就労条件総合調査」(退職給付額:勤続年数別・退職事由別・学歴別。該当年版・企業規模を要確認)
- 中央労働委員会「賃金事情等総合調査」(モデル退職金。該当年版・集計対象を要確認)
- e-Gov法令検索 民法627条(期間の定めのない雇用の解約) https://elaws.e-gov.go.jp/
- e-Gov法令検索 労働基準法39条(年次有給休暇) https://elaws.e-gov.go.jp/
- 退職代行Jobs 公式サイト https://jobs1.jp/

