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退職代行は「連絡せずに辞められる」便利さが目立ちますが、使う前に知っておくべき注意点もあります。結論から言えば、選ぶ基準は「自分に必要な交渉ができる運営主体か」と「費用に見合う状況か」の2つです。費用が数万円かかること、社宅や寮に住んでいると退去が必要になること、業者によっては交渉ができないことなど、事前に知っていれば避けられる後悔がほとんどです。この記事では、退職代行を使う前に確認しておきたい7つのデメリットと、その対処法を整理します。
退職代行のデメリット7つ(一覧)

まず全体像です。多くは「知っていれば対処できる」もので、致命的なものは業者選びの段階でほぼ回避できます。
| デメリット | 対処のしかた |
|---|---|
| 1. 費用がかかる(自分で辞めれば無料) | 返金保証・後払い対応の業者を選ぶ |
| 2. 民間業者は交渉ができない | 交渉が必要なら労働組合型・弁護士型を選ぶ |
| 3. 悪質業者・非弁行為のリスク | 運営主体と実績を確認する |
| 4. 社宅・寮は退去が必要 | 退去期限と私物回収を事前に相談 |
| 5. 一部の手続きは自分で残る | 離職票・返却物の段取りを確認 |
| 6. 会社との関係が切れる | 再利用予定の会社では慎重に判断 |
| 7. 再就職・転職への不安 | 制度上の影響と実際のリスクを分けて考える |
デメリット1:費用がかかる
最大のデメリットは、自分で退職を申し出れば無料で済むところに費用が発生する点です。公式サイトを確認できた範囲では、民間・労働組合型でおおむね12,000〜29,000円、弁護士型は着手金27,500〜77,000円に成功報酬が加わります(2026年9月時点・公式サイト確認)。パート・アルバイト向けに料金を下げている業者もあり、たとえば退職代行モームリはパート・アルバイト12,000円、正社員・契約・派遣22,000円としています(同)。
対処法は、退職できなかった場合の全額返金保証や、退職日が決まってから支払う後払いに対応した業者を選ぶことです。手元にお金がなくても、後払いなら実質的な負担を退職後に回せます。
デメリット2:民間業者は「交渉」ができない
退職代行は運営主体によって、法律上できることが変わります。ここを誤解したまま民間業者に依頼すると、「有給を消化したい」「退職金を交渉したい」という希望が通らないことがあります。
| 運営主体 | 退職の意思伝達 | 有給・退職日などの交渉 | 損害賠償・裁判の対応 |
|---|---|---|---|
| 民間業者 | 可 | 不可(伝達のみ) | 不可 |
| 労働組合 | 可 | 団体交渉として可 | 不可(訴訟代理は不可) |
| 弁護士 | 可 | 可 | 可(裁判は別途費用) |
民間業者が会社と条件交渉をすると、弁護士法72条が禁じる非弁行為(弁護士以外が報酬目的で法律事務の交渉を行うこと)に当たるおそれがあります。そのため民間型は退職の意思を伝えるところまでが役割です。交渉が必要なら、団体交渉権(労働組合が会社と交渉できる権利。労働組合法6条・7条)を持つ労働組合型か、金銭請求や裁判まで対応できる弁護士型を選びます。運営主体ごとの詳しい違いと料金は、比較記事「退職代行おすすめ8社比較|有給交渉できるのはどの型か」にまとめています。
デメリット3:悪質業者・非弁行為のリスク
退職代行は参入しやすく、なかには実態の伴わない業者や、交渉権がないのに交渉をうたう業者も存在します。依頼先を誤ると、料金だけ払って退職手続きが進まない、非弁行為に巻き込まれるといった事態になりかねません。
対処法は、運営主体(民間・労働組合・弁護士のどれか)と、返金保証・実績・支払い方法が公式サイトに明記されているかを確認することです。「弁護士監修」と「弁護士本人が交渉する」は別物である点にも注意します。
デメリット4:社宅・寮に住んでいる場合は退去が必要

会社が用意した社宅や寮に住んでいる場合、退職と同時に住まいを失うことになります。退去期限が短いこともあり、次の住居の確保が退職より先に必要になるケースがあります。
この場合は、退去までの猶予や私物の回収方法を依頼時に業者へ相談しておきます。私物の受け取りは郵送で対応できることが多く、出社せずに完結させることも可能です。住まいが会社と結びついている人ほど、辞める順番の段取りが重要になります。
デメリット5:一部の手続きは自分に残る
退職代行が代行するのは会社への連絡と退職の意思表示までで、その後の事務手続きの一部は自分で対応が残ります。たとえば離職票(失業給付の申請に必要な書類)や源泉徴収票の受け取り、貸与品の返却、健康保険や年金の切り替えなどです。
多くの業者は、退職届のテンプレート提供や返却物・受け取り書類の案内までフォローします。依頼前に「どこまでやってくれて、何が自分に残るのか」を確認しておくと、退職後に慌てずに済みます。
デメリット6:会社との関係が切れる
退職代行を使うと、以後は会社と直接やり取りをしない前提になります。円満退職とは言いにくく、同じ会社に将来また関わる可能性がある業界や、取引先として付き合いが続く相手の場合は、関係が断たれることが不利に働くこともあります。
関係の維持を重視したいなら、まず自分で退職を申し出て、引き止めが強すぎる・話が通じないといった段階になってから代行を検討する、という順序も選べます。
デメリット7:再就職・転職への不安
「退職代行を使ったことが転職先に伝わるのでは」「再就職で不利になるのでは」という不安を持つ人は少なくありません。制度上、前職に退職理由や退職方法を照会する仕組みは一般的ではなく、退職代行の利用歴が公的な記録として残るわけではありません。
不安の中身は「転職先にばれるか」と「再就職の手続きで支障が出るか」に分けて考えると整理できます。過度に心配しすぎず、離職票などの必要書類を確実に受け取ることのほうが、次の就職の実務では重要です。
デメリットを踏まえた業者の選び方

ここまでの7点は、次の順番で確認すると回避しやすくなります。
- 自分に交渉が必要か(有給・退職金・未払い金)を決める
- 必要なら労働組合型・弁護士型、伝達だけでよければ民間型を候補にする
- 返金保証・後払いの有無で費用リスクを下げる
- 社宅・私物・離職票など、退職後に残る段取りを事前に相談する
この順で絞れば、「思っていた交渉ができなかった」「費用だけかかった」といった後悔の大半は防げます。
よくある質問
退職代行のデメリットで一番大きいものは何ですか。
費用が発生する点と、民間業者では交渉ができない点の2つです。前者は返金保証や後払いで、後者は労働組合型・弁護士型を選ぶことで対処できます。
社宅や寮に住んでいても退職代行は使えますか。
使えます。ただし退職に伴い退去が必要になるため、退去期限と私物の回収方法を依頼時に相談しておくことが大切です。私物は郵送で受け取れる場合が多くあります。
退職代行を使うと再就職で不利になりますか。
退職代行の利用歴が公的な記録として残る仕組みはありません。転職先へ退職方法が照会される一般的な仕組みもないため、利用そのものが直接不利に働くとは限りません。
費用を抑える方法はありますか。
雇用形態でパート・アルバイト向けの料金を設けている業者や、後払い・返金保証に対応する業者を選ぶ方法があります。公式サイトで料金と条件を確認してください(2026年9月時点・公式サイト確認)。
民間業者でも有給消化はできますか。
民間業者は会社への「伝達」はできますが、交渉はできません。有給消化を確実に交渉したい場合は、団体交渉権を持つ労働組合型か弁護士型を選ぶのが安全です。
退職代行を使うと退職後の手続きは全部やってもらえますか。
会社への連絡と退職の意思表示までが基本です。離職票や源泉徴収票の受け取り、貸与品の返却など一部は自分に残るため、どこまで対応してもらえるか事前に確認しましょう。
参考・出典
- 退職代行モームリ 公式サイト https://momuri.com/
- 弁護士法人みやび 公式サイト https://taishoku-service.com/
- 退職代行Jobs 公式サイト https://jobs1.jp/
- 民法627条・628条/弁護士法72条/労働組合法6条・7条/労働基準法39条(e-Gov法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/)

