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退職代行の料金は、サービスごとの「安い・高い」で見るよりも先に、運営主体が3類型(民間企業/労働組合/弁護士)のどれかで見ると失敗しません。料金の差は、そのまま「会社と交渉できる範囲」の差だからです。結論を先に言うと、会社ともめる余地が少ないなら安い民間型か労働組合型で足り、有給・未払い給与・退職金などを会社に認めさせたいなら団体交渉権を持つ労働組合型、退職金の減額や損害賠償・裁判にまで発展しそうなら弁護士型を選ぶ、という順で考えるのが料金と機能のバランスを取る近道です。
退職代行の料金相場は3類型で決まる

退職代行の料金相場は、民間型で2万円台が中心(実測で12,000〜29,000円)、弁護士型は着手金27,500〜77,000円に成功報酬が加わる、という水準です(2026年9月時点・公式サイト確認)。同じ「退職代行」でも倍以上の開きがあるのは、サービスの質というより法律上できる業務範囲が主体ごとに違うためです。
その線引きの根拠になるのが、弁護士以外が報酬目的で会社との交渉(法律事務)を行うことを禁じる弁護士法72条(いわゆる非弁行為の禁止)です。民間企業は「辞めます」という本人の意思を会社へ伝えることはできても、有給や未払い分を「認めてください」と交渉することはできません。一方、労働組合は労働組合法6条・7条にもとづく団体交渉権を持つため、組合を通じて会社と交渉できます。弁護士はさらに損害賠償請求や裁判まで代理できます。料金が上がるほど、踏み込める範囲が広がると理解してください。
民間・労働組合・弁護士で何が違う
3類型の料金と、できることを1枚にまとめます(各社公式サイトの2026年9月時点の表記にもとづく。金額は税込)。
| 類型 | 料金の目安 | 会社との交渉 | 代表例(公式料金) |
|---|---|---|---|
| 民間企業(代行のみ) | 12,000〜29,000円 | 希望の「伝達」まで。交渉はできない | 辞めるんです 27,000円/退職代行ニコイチ 27,000円 |
| 労働組合 | おおむね19,800〜24,000円台 | 団体交渉権で有給・未払い給与・退職日を交渉可 | 退職代行SARABA 24,000円/男の退職代行 21,800円(+組合費1,000円) |
| 弁護士 | 着手金 27,500〜77,000円+成功報酬(回収額の20%+税) | 有給・残業代・退職金・未払い給与の請求、損害賠償・裁判対応 | 弁護士法人みやび 着手金27,500円〜 |
民間型(12,000〜29,000円)
もっとも数が多く、料金も抑えめなのが民間型です。退職代行ニコイチは雇用形態を問わず一律27,000円(追加なし)、辞めるんですも27,000円で退職日決定後の後払いに対応します(2026年9月時点・公式サイト確認)。ただし民間型は交渉権を持たないため、有給消化の「希望を会社に伝える」ことはできても、会社が拒んだときに押し返す手段がありません。会社が素直に応じる見込みが高い人向けの選択肢です。
労働組合型(19,800〜24,000円台)
費用と交渉力のバランスが良いのが労働組合型です。退職代行SARABAは一律24,000円(入会費込)、男の退職代行は正社員等21,800円に組合費1,000円という料金で、いずれも組合を通じて有給消化や未払い給料の交渉ができます(2026年9月時点・公式サイト確認)。退職代行Jobsのように、通常27,000円のプランに加えて労働組合と連携する「安心パック」29,000円を用意し、交渉が必要な場合に組合ルートを使える形もあります。退職代行ガーディアンを一律19,800円とする情報もありますが、これは公式で未確認のため、申し込み前に最新の金額を確認してください。
弁護士型(着手金27,500円+成功報酬)
退職金の減額、損害賠償をちらつかされている、すでに未払い残業代が多額にある、といった「お金と法律が絡む」ケースは弁護士型です。弁護士法人みやびは会社員・アルバイト・契約社員で着手金27,500円から、公務員対応で55,000円、自衛隊・業務委託・役員で77,000円、加えて回収できた金額の20%+税が成功報酬という料金体系です(2026年9月時点・公式サイト確認。裁判対応は別途)。初期費用は高く見えますが、請求・回収まで一貫して代理できるのは弁護士型だけです。
料金だけで選ぶと損をするケース

「一番安いところ」を機械的に選ぶと、いざ有給や未払い分でもめたときに交渉できず、結局もう一度依頼し直す、あるいは自分で会社と話すことになりかねません。次の順で自分の状況を当てはめると、必要十分な類型が絞れます。
- 会社ともめる要素がほぼない(引き止められる程度)→ 民間型または労働組合型で費用を抑える。
- 有給を消化して辞めたい、未払い給与・残業代がある → 労働組合型(団体交渉で会社に認めさせる)。
- 退職金の減額、損害賠償請求、裁判の可能性がある → 弁護士型(請求・訴訟まで代理できる主体)。
なお、有給を使って即日から出社しない形が取れるかどうかは、労働基準法39条(労働者の時季指定権)や、期間の定めのない雇用は申入れから2週間で終了するとする民法627条1項が根拠になります。有期契約の途中でも、やむを得ない事由があれば民法628条により即時解除の余地があります。自分のケースがどれに当たるかは、依頼前の無料相談で確認しておくと安心です。各社の料金や運営主体を横並びで見比べたい場合は、退職代行おすすめ8社比較|有給交渉できるのはどの型かの比較表を参照してください。
支払い方法・後払い・返金保証で見る費用の実際

表示価格が同じでも、支払い方法や保証で実質的な負担感は変わります。退職代行モームリは正社員・契約・派遣22,000円、パート・アルバイト12,000円で、あと払い(連絡日から1ヶ月後まで)は手数料3,000円という形です(2026年9月時点・公式サイト確認)。辞めるんですは退職日が決まってからの後払いに対応し、男の退職代行はクレジットカードやコンビニ、各種スマホ決済、翌月後払いまで幅広く選べます。
「退職できなければ全額返金」といった返金保証は、退職代行Jobs・SARABA・モームリ・男の退職代行・ニコイチなどが掲げています(2026年9月時点・公式サイト確認)。ただし保証の条件はサービスごとに異なり、入金後のキャンセル不可を明記している例(ニコイチ)もあります。金額だけでなく、後払いの可否・返金条件・追加料金の有無まで確認してから申し込むと、想定外の出費を避けられます。
よくある質問
退職代行の料金相場はいくらですか。
民間型で2万円台が中心(実測12,000〜29,000円)、弁護士型は着手金27,500〜77,000円に成功報酬(回収額の20%+税)が加わるのが目安です(2026年9月時点・公式サイト確認)。料金は改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新額を確認してください。
なぜ弁護士型は料金が高いのですか。
弁護士は、民間企業や労働組合ではできない損害賠償請求や裁判の代理まで担えるためです。弁護士法72条により、報酬を得て会社と交渉できるのは弁護士か団体交渉権を持つ労働組合に限られます。踏み込める業務範囲の広さが料金差の理由です。
安い民間型でも有給消化はできますか。
民間型は希望を会社へ伝えることはできますが、会社が拒んだ場合に交渉する権限はありません。有給消化を確実にしたいなら、団体交渉権を持つ労働組合型を選ぶのが安全です。有給の時季指定は労働基準法39条が根拠になります。
後払いや分割に対応した業者はありますか。
モームリ(あと払い手数料3,000円)、辞めるんです(退職日決定後の後払い)、男の退職代行(翌月後払いなど)などが後払いに対応しています(2026年9月時点・公式サイト確認)。条件はサービスごとに異なるため、申し込み時に確認してください。
返金保証があれば費用のリスクはないですか。
多くのサービスが「退職できなければ全額返金」を掲げていますが、返金条件や対象はまちまちで、入金後キャンセル不可の例もあります。保証の有無だけでなく、どんな場合に返金されるのかまで読んでから決めることをおすすめします。
結局どの類型を選べばよいですか。
会社ともめる要素が少なければ民間型か労働組合型、有給・未払い給与を交渉したいなら労働組合型、退職金や損害賠償・裁判が絡むなら弁護士型が目安です。迷う場合は、無料相談で自分の状況を伝えてから決めると失敗しにくくなります。
参考・出典
- 退職代行Jobs 公式サイト https://jobs1.jp/
- 弁護士法人みやび(退職代行サービス)公式サイト https://taishoku-service.com/
- 退職代行SARABA 公式サイト https://taisyokudaikou.com/
- 退職代行モームリ 公式サイト https://momuri.com/
- 男の退職代行 公式サイト https://otoko-next.jp/
- 辞めるんです 公式サイト https://yamerundesu.com/
- 退職代行ニコイチ 料金ページ https://www.g-j.jp/price/
- 民法627条・628条、労働基準法39条、弁護士法72条、労働組合法6条・7条(e-Gov法令検索で条文を確認)

