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4月に新卒入社して半年近くが経ち、「そろそろ有給休暇(年次有給休暇。給料が出る休みのこと)が使えるはず」と思ったものの、正確にいつから何日付くのかがわからない。求人票にも「有給あり」としか書かれていない。そんな場面で確認したいのが、有給が発生する条件と付与される日数です。
有給が付くかどうかは会社の裁量ではなく、労働基準法39条という法律で決まっています。基準はシンプルで、「入社から6か月continおよそ継続して働いたこと」と「その期間の全労働日の8割以上出勤したこと」の2つを満たせば、正社員でもパートでも自動的に有給が発生します。まず自分の入社日から6か月後がいつかを数え、その半年間の出勤率が8割を超えているかを確認する。この記事では、その2条件と勤続年数ごとの付与日数、そして新卒が実際に使えるようになる日の求め方を順に整理します。
有給が発生する2つの条件(入社6か月と8割出勤)
労働基準法39条1項は、有給の発生条件を次のように定めています。使用者は、雇入れの日から起算して6か月間continして継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、10労働日の有給休暇を与えなければならない、という内容です。ここで大切なのは「与えなければならない」という義務規定である点で、条件を満たせば会社は付与を拒めません。
条件1|雇入れの日から6か月の継続勤務
1つ目は、入社日(雇入れの日)から数えて6か月間、雇用契約が続いていることです。ここでいう継続勤務は、在籍していれば足ります。途中で部署が変わっても、産休や育休、業務上のけがによる休業期間があっても、雇用関係そのものが切れていなければ継続勤務は途切れません。試用期間も、雇用契約が始まっている以上は継続勤務の期間に含めて数えます。
条件2|全労働日の8割以上の出勤
2つ目は、その6か月間の全労働日のうち、8割以上に出勤していることです。「全労働日」とは、会社の休日を除いた、本来働くことになっていた日の合計を指します。土日祝や会社の定めた休みは、もともと働く日ではないので母数に入りません。つまり出勤率は「出勤した日 ÷ 所定の労働日」で計算します。
なお、業務上のけがや病気で休んだ期間、産前産後の休業、育児・介護休業、有給を取得した日は、法律上「出勤したもの」とみなして計算します。この8割の数え方には細かな取り扱いがあり、全労働日の定義については別に整理しています。ここでは「所定の労働日の8割に出ていれば発生する」という原則だけ押さえてください。
勤続年数ごとの付与日数の早見表
有給の日数は、勤続年数が長くなるほど増えていきます。労働基準法39条2項が、6か月経過後の1年ごとに加算する日数を定めており、厚生労働省が公表している通常の労働者(週の所定労働時間が30時間以上、または週5日以上勤務)の付与日数は次の通りです(週の労働日数が少ないパート・アルバイトは、日数が比例して減る「比例付与」という別の表になります)。
| 継続勤務年数 | 付与日数 |
|---|---|
| 6か月 | 10日 |
| 1年6か月 | 11日 |
| 2年6か月 | 12日 |
| 3年6か月 | 14日 |
| 4年6か月 | 16日 |
| 5年6か月 | 18日 |
| 6年6か月以上 | 20日 |
3年6か月から増え方が変わる理由
表を見ると、最初の2回(6か月と1年6か月)は10日、11日と1日ずつ増え、2年6か月で12日になったあと、3年6か月からは14日、16日、18日と2日ずつ増えていきます。これは39条2項が、勤続2年6か月を超えた分について1年ごとに2労働日を加算すると定めているためです。上限は6年6か月時点の20日で、それ以降は毎年20日ずつ付与されます。年度内に使いきれなかった有給は翌年度に繰り越せますが、繰り越しには時効があり、この点は別記事で扱います。
新卒はいつから有給が付く?入社日から逆算する
新卒で入社した場合も条件は同じで、入社日から6か月後の日に、8割出勤を満たしていれば10日が付与されます。会社が特別に前倒しで付与する制度を設けていない限り、入社直後から有給が使えるわけではない点に注意してください。
具体的な明細で確認します。たとえば入社日が2026年4月1日の場合の付与日は、次のように求めます。
- 入社日: 2026年4月1日
- 6か月経過日(初回付与日): 2026年10月1日
- この日までの所定労働日のうち、8割以上に出勤していれば10日が付与される
- 次の付与日(11日): 2027年10月1日
判断の流れを条件で整理すると、次のようになります。
- 入社日から6か月が経過したか。経過していなければ、原則としてまだ有給は発生しない。
- 経過していれば、その6か月間の出勤率が8割以上か。8割以上なら10日が発生する。
- 8割に届かなければ、その回の付与は見送られる(次の判定期間で再度カウントされる)。
入社日が月の途中でも数え方は同じで、たとえば4月10日入社なら10月10日が初回の付与日です。会社によっては全社員の付与日を毎年4月1日などにそろえる「基準日方式」を採っていることもあり、その場合は法定より早い付与になるため、就業規則で自社の基準日を確認しておくと確実です。
8割出勤を満たせなかった場合の扱い
6か月は経過したものの、欠勤が多く出勤率が8割に届かなかった場合、その判定期間分の有給は発生しません。ただし、これは「以後ずっともらえなくなる」という意味ではありません。次の1年間の判定期間で改めて出勤率が計算され、そこで8割以上を満たせば、勤続年数に応じた日数(1年6か月時点なら11日)が付与されます。
先に触れた通り、けがや産休・育休などで休んだ日は出勤扱いになるため、これらの理由による欠席で8割を割ることは基本的にありません。8割を下回るのは自己都合の欠勤が多いケースが中心です。
退職の場面で有給を使いきりたいときの確認点
付与された有給は、退職時にまとめて消化することもできます。労働基準法39条5項は、いつ休むかを指定する権利(時季指定権)を労働者側に認めており、会社は事業の正常な運営を妨げる場合に時季をずらす(時季変更権)ことしかできません。退職が決まっていれば、ずらす先の労働日がないため、残った有給を退職日までに充てる形での消化が実務上行われています。
もっとも、退職時の有給消化を会社が渋る、あるいは退職の申し出自体を受け付けないといったトラブルは実際に起きています。自分で交渉するのが難しい場合に使われるのが退職代行ですが、有給の消化を「会社と交渉」できるかどうかは業者の運営主体(民間企業か、労働組合か、弁護士か)によって変わります。どの型なら有給交渉ができるのかは、退職代行おすすめ8社比較|有給交渉できるのはどの型かで料金や運営主体とあわせて整理しています。
よくある質問
入社してすぐに有給は使えますか?
原則として、入社日から6か月が経過し、その間の出勤率が8割以上になって初めて発生します。したがって入社直後は使えないのが基本です。ただし会社が独自に前倒しで付与する制度を設けている場合は、就業規則に従ってそれより早く使えることがあります。
新卒でも初年度から10日付きますか?
付きます。新卒かどうかで日数が変わることはなく、入社6か月と8割出勤の2条件を満たせば、通常の労働者は初回に10日が付与されます。
パートやアルバイトも同じ日数ですか?
週の所定労働日数や労働時間が少ない場合は、日数が比例して少なくなる「比例付与」が適用され、上の表とは別の日数になります。詳しい早見表は別の記事で扱っています。
8割出勤の「全労働日」に休日は含まれますか?
含まれません。土日祝や会社の定めた休日など、もともと働く予定のない日は母数から外れます。出勤率は、本来働くことになっていた所定の労働日を分母として計算します。
試用期間は継続勤務の6か月に入りますか?
入ります。試用期間であっても雇用契約は始まっているため、雇入れの日から通算して6か月を数えます。
ちょうど6か月で退職する場合、有給はもらえますか?
6か月の継続勤務を満たし、その間の出勤率が8割以上であれば、退職の直前であっても10日が発生します。発生した有給は退職日までに消化することができます。
参考・出典
- 労働基準法(第39条 年次有給休暇)|e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
- 厚生労働省「年次有給休暇の付与日数」(年次有給休暇の時季指定義務)https://www.mhlw.go.jp/
- 退職代行おすすめ8社比較(当サイト内の比較記事)https://taishoku-daiko-hikaku.com/resignation-service-comparison/

