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あと少しで勤続の区切りを迎えるのに、上司との関係が限界で自分から辞めたい。そんなとき「退職代行を使ったら退職金はもらえなくなるのでは」と不安になる人は多いです。結論から言うと、退職金は法律で全員に保証された給料ではなく、勤め先の就業規則(会社が定める働き方のルール)に支給の定めがあって初めて発生する権利です。だからまず見るべきは代行業者ではなく、自分の会社の就業規則の退職金規程です。そのうえで、支給条件を満たしているのに会社が渋る、あるいは減額してくる場合に「会社と交渉して払わせる」ことができるのは、退職代行のなかでも弁護士が運営する型に限られます。この記事では、退職金がもらえるかどうかの見極めと、減額されやすいケース、依頼前の確認手順を具体的に整理します。
退職金は「就業規則に定めがあるとき」の権利

退職金は、労働基準法などが「必ず支払え」と定めているお金ではありません。会社が就業規則や退職金規程、労働契約でその支給を約束している場合に、労働者の権利として発生します。逆に言えば、規程そのものがない会社では、退職代行を使っても使わなくても退職金は出ません。
まず自分の会社に退職金制度があるかを確認します。就業規則は、常時10人以上を使用する事業場では作成と周知が義務づけられています。手元になければ、社内の共有フォルダ、入社時に受け取った労働条件通知書、社内ポータルなどを探します。退職金規程がある場合は、次の点を読み取っておきます。
- 支給の対象になる勤続年数(例: 勤続3年以上など、下限がある会社が多い)
- 自己都合退職と会社都合退職での支給率の違い
- 懲戒解雇や重大な規律違反があった場合の減額・不支給の定め
- 計算の基礎になる金額(基本給か、独自のポイント制か)
退職金の金額は会社ごとの規程で決まるため、一般的な相場を断定することはできません。自分の会社でいくらになるかは、規程の計算式に当てはめて算出するのが唯一の正確な方法です。金額の目安が必要なときは、規程の支給率表を人事に照会します。
退職代行 退職金を交渉できる型・できない型
退職代行は運営主体によって3つの型に分かれ、退職金を「会社と交渉して払わせる」ことができるかどうかが変わります。ここが退職金の受け取りに直結します。民間企業が運営する型は、本人の希望を会社へ伝えることはできても、報酬を得て会社と法的な交渉をすることは弁護士法72条(弁護士以外が報酬目的で法律事務を行うことの禁止)に触れるため、金額の交渉まではできません。
| 運営の型 | 退職金の交渉 | 根拠と特徴 |
|---|---|---|
| 民間企業(民間型) | できない(希望の伝達のみ) | 交渉は弁護士法72条に抵触。退職の意思表示の代行が中心 |
| 労働組合(労組型) | 団体交渉として可能 | 労働組合法6条・7条の団体交渉権にもとづき、会社と話し合える |
| 弁護士(弁護士型) | 請求・交渉が可能、支払われないときは請求手続きも対応 | 未払い給与や退職金の請求・交渉、損害賠償対応まで一貫して対応 |
退職金が就業規則どおりに素直に支払われる見込みなら、民間型や労組型でも実務上は困りません。問題は、支給条件を満たしているのに会社が払わない、あるいは減額の理由に納得できないケースです。この場合、金額そのものを争える弁護士型が現実的な選択肢になります。各社の料金や交渉範囲の違いは、退職代行おすすめ8社比較|有給交渉できるのはどの型かで表にまとめています。
退職金が減額・不支給になりやすいケース

退職金は「辞め方」によって金額が変わる制度設計になっている会社が多く、退職代行を使うこと自体が減額理由になるわけではありません。実際に減額や不支給が起きやすいのは次のような場合です。
勤続年数が支給の下限に届いていない
「勤続3年以上」など、退職金の支給に最低勤続年数を設けている会社は珍しくありません。入社間もない段階での退職では、そもそも支給対象外になることがあります。規程の下限を先に確認しておきます。
自己都合退職で支給率が下がる
同じ勤続年数でも、自己都合退職は会社都合退職より支給率を低く設定している規程が一般的です。退職代行を通じた退職は多くが自己都合の扱いになるため、規程上の自己都合の支給率が自分に適用される前提で見ておきます。
懲戒事由がある・引き継ぎ放棄と主張される
重大な規律違反があった場合に退職金を減額・不支給とする定めがある会社では、会社側がそれを理由に支給を渋ることがあります。担当業務を何も引き継がずに連絡を絶つと、会社から引き継ぎ放棄を問題視される余地も残ります。争いになりそうな要素があるなら、交渉と法的対応ができる弁護士型が安全です。
弁護士型に頼んだときの費用の明細と計算例
退職金の交渉まで任せるなら弁護士型が対象になります。ここでは弁護士法人みやびの料金(2026年9月時点・公式サイト確認)を例に、費用の内訳を示します。
- 着手金: 27,500円(会社員・アルバイト・契約社員の場合)
- 成功報酬: 回収額の20%+税
- 公務員対応は着手金55,000円、自衛隊・業務委託・役員は77,000円(裁判は別途)
成功報酬は「回収できた金額」に対してかかる仕組みです。仮に退職金として100万円を会社から回収できた場合、費用の合計は次のようになります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 着手金(会社員) | 27,500円 |
| 成功報酬(回収額100万円の20%+税) | 200,000円+税 |
| 手取りの目安(回収額から費用を差し引く) | 回収額100万円 − 上記費用 |
ここで挙げた100万円はあくまで計算方法を示すための仮の金額で、実際の退職金額は自分の会社の規程で決まります。回収額が大きいほど成功報酬も増えるため、そもそも支給が確実で金額に争いがないなら、交渉権のない民間型・労組型のほうが総額を抑えられる場合があります。争いの有無で型を選び分けるのが費用面でも合理的です。
退職金でもめないための就業規則チェック(判断フロー)

依頼前に就業規則を読み解くと、どの型を選ぶべきかが見えてきます。次の順に確認します。
- 退職金規程があるか。無ければ退職金は発生しないため、退職の意思表示中心の民間型・労組型で足りる。
- 規程がある場合、自分の勤続年数が支給の下限を満たしているか。満たしていなければ支給対象外の可能性が高い。
- 自己都合退職の支給率で計算した金額が、規程どおり素直に払われそうか。会社の運用に不安がなければ民間型・労組型で交渉不要。
- 減額・不支給の定めに触れる要素(懲戒事由、引き継ぎ、勤続不足)があり、会社ともめそうか。もめる見込みなら金額を争える弁護士型を選ぶ。
この流れで「規程あり・条件は満たす・でも会社が渋りそう」に当てはまる人ほど、弁護士型を選ぶ意味が大きくなります。反対に、規程がない、または金額に争いがないなら、費用の安い型で十分です。
よくある質問
退職代行を使うと退職金はもらえなくなりますか。
代行を使ったこと自体を理由に退職金を没収する法的な根拠はありません。支給されるかどうかは就業規則の退職金規程と勤続年数、退職理由で決まります。まず規程の支給条件を確認してください。
就業規則が手元にありません。どうすればいいですか。
就業規則は労働者に周知する義務があるため、社内ポータルや共有フォルダ、入社時の労働条件通知書を探すと見つかることが多いです。それでも確認できない場合は、退職金の交渉ができる弁護士型に相談し、会社への開示請求も含めて対応を検討します。
民間型でも退職金の希望は伝えてもらえますか。
希望として会社へ伝えることは可能ですが、金額を交渉して払わせる行為はできません。会社が規程どおりに支払う運用なら伝達で足り、渋る見込みがあるなら弁護士型を選ぶ判断になります。
自己都合退職だと退職金は減りますか。
多くの規程で、自己都合は会社都合より支給率が低く設定されています。減るかどうかと減り幅は会社の規程しだいなので、支給率表で自分のケースを確認してください。
退職金の未払いも弁護士型なら請求できますか。
弁護士型は退職金や未払い給与、残業代の請求・交渉に対応します(2026年9月時点・公式サイト確認)。支払われない場合の請求手続きまで一貫して任せられる点が、他の型との違いです。
参考・出典
- 民法627条・628条(雇用の解約)、労働基準法39条(年次有給休暇)、弁護士法72条(非弁行為の禁止)、労働組合法6条・7条(団体交渉権): e-Gov法令検索
- 弁護士法人みやび(着手金・成功報酬・対応範囲): https://taishoku-service.com/
- 退職代行Jobs: https://jobs1.jp/
- 退職代行モームリ: https://momuri.com/

