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45歳、勤続20年ほどで役職も付いたが、この先の働き方に区切りをつけたい。退職代行の相談窓口には「辞めたい気持ちは固まっているが、いくら貯金があれば早期退職に踏み切れるのか分からない」という40代の声が届きます。手取りは分かっても、会社を辞めた瞬間に自分で払い始める固定費がいくらになるのかは、在職中は見えにくいものです。
結論から言えば、必要額は「次の仕事や年金までの生活費」を土台に、辞めた直後から自分にのしかかる失業給付・健康保険・年金の3つの固定費を積み上げて見積もります。FIRE(早期リタイア)のように「資産◯千万円で一生安泰」と一括りにするのではなく、この3つを自分の数字で埋めていくと、いくらあれば辞められるかの輪郭が見えてきます。金額そのものは家族構成や住む自治体で変わるため、本記事では金額を断定せず、試算の枠だけを示します。
45歳で早期退職を考えるとき、最初に固定する3つの数字
早期退職の必要額を見積もるうえで、まず押さえるのは次の3点です。いずれも「会社が半分払ってくれていたもの」や「給料天引きで意識せずに済んでいたもの」が、退職後は自分の財布から出ていく点が共通しています。
- 失業給付(雇用保険の基本手当)で、無収入の期間をどれだけ埋められるか。年齢と加入年数、辞め方(自己都合か会社都合か)で受け取れる日数が変わります。
- 健康保険を、会社の健保の任意継続にするか、市区町村の国民健康保険にするか。会社が負担していた分がなくなり、保険料は在職中より上がるのが一般的です。
- 年金を、60歳になるまで国民年金の保険料を自分で納め続ける前提で見込む。厚生年金から外れる分、将来の受取額にも影響します。
この3つを毎月いくらと置くかが決まれば、あとは「次の収入までの月数」を掛けるだけで、生活防衛に必要な金額の骨格が出ます。
固定費①失業給付でいくら埋まるか
雇用保険の基本手当(いわゆる失業給付)は、離職前の賃金と年齢に応じた日額を、決められた日数分受け取る仕組みです。受け取れる日数は、年齢・雇用保険の被保険者期間・離職理由で変わります。自己都合退職は原則として給付制限期間(待期のあとに一定期間、支給が始まらない期間)が入るため、会社都合より受け取り始めが遅くなります。
45歳前後で加入期間が長い人は所定給付日数が比較的多くなる傾向がありますが、具体的な日数は必ずハローワークの基準で確認してください。
失業給付は「もらえる総額」より「いつから・何か月分もらえるか」を見るのが試算では大切です。給付が始まるまでの無収入期間は、貯金で埋める前提で計算に入れておきます。
固定費②健康保険は任意継続か国保かで積む
退職後の健康保険には、大きく分けて会社の健保を続ける「任意継続」と、市区町村の「国民健康保険」があります。任意継続は在職中に会社が半分負担していた保険料を全額自分で払う形になるため、保険料は上がるのが通常です。ただし任意継続には保険料の上限の仕組みがあり、前年の所得が高い人は国保より安くなることもあります。
- 国民健康保険料: 前年所得と自治体で決まるため一律の額はなし。お住まいの市区町村で試算する
試算では、任意継続と国保の両方を1か月あたりで出し、安い方を採用して積みます。どちらも「毎月の固定費」として、次の収入までの月数分を掛けます。
固定費③年金は60歳まで国民年金で見込む
会社を辞めて厚生年金から外れると、原則として60歳になるまで国民年金の第1号被保険者として保険料を自分で納めます。配偶者を扶養していた場合、その配偶者の分の切り替えも必要になります。
- 配偶者分が必要かは家族構成による(第3号から第1号への切り替え)
保険料を払えない時期は免除・猶予の制度もありますが、将来の受取額が減る可能性があるため、まずは「満額を払い続ける前提」で固定費に入れ、余裕があればそのまま、厳しければ免除も検討する順で考えると安全側の試算になります。
59歳で辞める場合と60歳定年まで待つ場合の比較の考え方
「59才で退職するのと60歳の定年まで勤めるのはどちらが得か」という比較も、考え方は45歳の試算と同じで、辞めた瞬間から発生する固定費と、失われる収入を並べて見ます。1年早く辞めると、その1年分の給与と、その分の厚生年金の積み増しがなくなる一方、健康保険・年金を自分で払う期間が1年伸びます。
あわせて確認したいのが退職金と離職理由の扱いです。定年前の自己都合退職か、会社の早期退職制度に応募する形かで、退職金の割増や離職票の離職理由(自己都合か会社都合か)が変わり、失業給付の給付制限や日数にも影響します。金額そのものは各社の退職金規程と公的基準で確認してください。有給休暇の扱いや離職理由の交渉が絡む場合の実務は、退職代行おすすめ8社比較|有給交渉できるのはどの型かで運営主体の型ごとに整理しています。
いくらあれば辞められるかの試算枠(明細の作り方)
ここまでの3つの固定費を1枚の明細にまとめます。数字は自分の状況で埋める前提で、枠だけ示します。金額を断定できる部分は実額を、公的な基準はマーカーで置いています。
| 項目 | 1か月あたりの置き方 |
|---|---|
| 基本の生活費 | 公式サイトで確認 |
| 健康保険料 | 任意継続と国保の安い方(公式サイトで確認/国保は自治体で試算) |
| 国民年金保険料 | 公式サイトで確認 |
| 差し引く: 失業給付 | 受給開始後の月数分だけマイナス(公式サイトで確認) |
この月額に「次の収入までの月数」を掛けたものが、生活のために手元に残しておきたい額の目安です。辞める手段として退職代行を使う場合は、これに一度きりの費用が乗ります。労働組合が運営する型では、退職代行モームリが22,000円、退職代行SARABAが24,000円(いずれも2026年9月時点・公式サイト確認)といった水準です。
判断フロー(条件から結論へ)
- 次の仕事のあてがあり、無収入期間が短い見込みか。短ければ必要額は「失業給付が始まるまでの数か月分」に近づく。
- 会社都合・早期退職制度での離職か、自己都合か。自己都合なら給付制限期間の無収入をまるごと貯金で埋める前提にする。
- 健康保険は任意継続と国保のどちらが安いか。両方を試算し、安い方を12か月分(または受給までの月数分)積む。
- 60歳までの年金保険料を満額で払えるか。厳しければ免除の可否を年金事務所で確認する。
この4問を埋めれば、いくらあれば辞められるかの数字が、他人の平均ではなく自分の家計の数字で出せます。
よくある質問
45歳の早期退職に「いくら必要」と決まった金額はありますか
一律の正解額はありません。必要額は次の収入までの月数と、住む自治体・家族構成で決まる固定費で変わります。本記事の3つの固定費に自分の数字を入れて試算するのが確実です。金額を一般論で断定する情報には注意してください。
失業給付は辞めてすぐもらえますか
自己都合退職の場合は、待期期間のあとに給付制限期間があり、支給開始まで一定の期間が空くのが原則です。会社都合ではこの制限がない扱いになります。開始時期と日数は必ずハローワークで確認してください。
健康保険は任意継続と国民健康保険のどちらが安いですか
人によって逆転します。前年の所得が高い人は任意継続の上限が効いて安くなることがあり、所得が下がる人は国保が安くなることがあります。両方を1か月あたりで出して比べるのが確実です。
59歳で辞めるのと60歳の定年まで待つのはどちらが得ですか
1年分の給与と厚生年金の積み増しを失う一方、固定費の自己負担が1年伸びます。退職金の割増や離職理由の扱いも変わるため、金額を並べて比較してください。得かどうかは個々の退職金規程で変わります。
早期退職の前に、有給や離職理由を会社と交渉できますか
交渉できるかは退職代行の運営主体の型によります。労働組合や弁護士が関わる型では団体交渉や法的な交渉が可能とされ、民間型は会社への意向の伝達にとどまるのが一般的です。詳しくは比較記事で確認してください。
貯金が少なくても早期退職はできますか
無収入期間を短くできるか(次の仕事のあて)で必要額は大きく変わります。転職先が決まってから辞める、失業給付の開始時期を織り込む、といった順序で無収入期間を圧縮すると、必要な貯金額は下げられます。無理な断定は避け、自分の月額固定費から逆算してください。
参考・出典
- ハローワーク(雇用保険の基本手当・所定給付日数) 厚生労働省 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
- 全国健康保険協会(任意継続被保険者の保険料) https://www.kyoukaikenpo.or.jp/
- 日本年金機構(国民年金保険料) https://www.nenkin.go.jp/
- 総務省統計局 家計調査 https://www.stat.go.jp/data/kakei/
- 民法(e-Gov法令検索・第627条 期間の定めのない雇用の解約の申入れ) https://elaws.e-gov.go.jp/
- 退職代行モームリ 公式サイト https://momuri.com/
- 退職代行SARABA 公式サイト https://taisyokudaikou.com/

